
この記事では、DTMを始めたい方・初心者の方向けに、DAWの選び方のポイントをまとめています。
ぜひご参考にしてみてください。
はじめに
DAW(Digital Audio Workstation)は、DTMによる音楽制作の中心となるソフトウェアです。
DAWには多くの種類があります。
各種のDAWは、それぞれ異なる特徴を持っており、自分の制作スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
筆者自身は、今使っているDAW(Studio One)に満足しています。
ただ、もう少し慎重に選んでもよかったかな、という反省もあります。
この記事では、筆者の反省も踏まえ、どのような観点でDAWを選べば良いかをまとめました。
代表的な各種DAWの特徴を比較しながら解説しております。
ぜひご参考にしてみてください。
※各種DAWについての情報は、記事更新時点のものです。最新の情報と相違がある可能性があります。
DAWの選び方ガイド:選ぶ際のポイント
推奨PCスペック・対応OS
DAWを選ぶ際には、動作させるための対応OSや、PCスペックの推奨値を確認することが必要です。
以下に、各種DAWの対応OSを示します。
DAW名 | Windows | Mac |
---|---|---|
Cubase | Windows 10, Windows 11 | macOS 10.14 Mojave以降 |
Studio One | Windows 10 (64-bit), Windows 11 | macOS 10.13 High Sierra以降 |
Ableton Live | Windows 10 (22H2以降), Windows 11 | macOS 11 Big Sur以降 |
FL Studio | Windows 10 (64-bit), Windows 11 | macOS 10.15 Catalina以降 |
Pro Tools | Windows 10, Windows 11 | macOS 11 Big Sur以降, Apple Silicon (M1, M2)対応 |
Logic Pro | 非対応 | macOS 13 Ventura以降 |
対応OSに加え、PCスペックの推奨値も満たしていないと、DAWがスムーズに動作しない可能性があります。
以下に、DTMを最低限快適に行うための、PCスペックの一般的な目安を示します。
ただし、DAWによってスペックの推奨値に差異があるため、各種DAWの公式サイト等でチェックすることをおすすめします。
項目 | スペックの目安 |
---|---|
CPU | Intel Core i5以上 |
メモリ | 8GB以上(16GB推奨) |
ストレージ | SSD 256GB以上 |
OS | Windows 10以降、またはmacOS 10.13以降 |
どんなジャンルに適しているか
各種DAWには、それぞれ得意とする音楽ジャンルがあります。
そのため、自分が作りたい音楽のジャンルに合ったDAWを選ぶ、というのも選び方のポイントになります。
以下に、各種DAWの得意ジャンルを示します。
ただし、あくまで得意ジャンルの分類であり、それ以外の音楽を作れないというわけではありません。
DAW名 | 得意ジャンル |
---|---|
Cubase | 幅広いジャンル |
Studio One | 幅広いジャンル |
Ableton Live | エレクトロニックミュージック |
FL Studio | ヒップホップ、EDM |
Pro Tools | ロック、ポップス |
Logic Pro | オーケストラ、映画音楽 |
操作性
DAWの操作性も重要なポイントです。
初心者にも操作しやすいものもあれば、上級者向けのものもあります。
以下に、各種DAWの操作難易度の目安を示します。
ただし、「初心者向けのものほどできることが少ない」という相関を示すものではありません。
DAW名 | 操作難易度の目安 |
---|---|
Cubase | 中級者向け |
Studio One | 初心者向け |
Ableton Live | 中級者向け |
FL Studio | 初心者向け |
Pro Tools | 上級者向け |
Logic Pro | 初心者向け |
売りにしている機能・プラグイン
各種DAWは、独自の機能や付属プラグイン(ソフト音源やエフェクト)を売りにしています。
そのため、機能面で使いやすそうか、付属の音源やエフェクトに良いものがあるか、といった点も選び方のポイントになります。
以下に、各種DAWが売りにしている機能の例を示します。
DAW名 | 売りにしている機能の例 |
---|---|
Cubase | 高度なMIDI編集 |
Studio One | ドラッグ&ドロップの直観的な操作 |
Ableton Live | 即興演奏による音楽制作 |
FL Studio | 豊富な内蔵プラグイン |
Pro Tools | プロフェッショナルな録音機能 |
Logic Pro | 自動アレンジ機能 |
付属プラグイン(ソフト音源やエフェクト)については、その品質についてはじめから自分で判断することは難しいかもしれません。
筆者自身も、まだ十分な比較ができていない状態です。
各種DAWのレビュー情報などを参考にして、どの音源やエフェクトの評判が良いか、といった点をチェックしてみると良いかと思います。
シェア率の高さ
シェア率の高さも、DAWを選ぶ際のポイントになります。
シェア率が高いほど、ネット等でそのDAWについて解説しているユーザーが多く、情報を得やすいというメリットがあります。
以下に、国内のDAWシェア率の順位(目安)を示します。
DAW名 | 国内シェア率の順位 |
---|---|
Cubase | 1 |
Studio One | 2 |
Logic Pro | 3 |
Ableton Live | 4 |
FL Studio | 5 |
Pro Tools | 6 |
※上記ランキングは、以下記事を参考にしました。


無料版があるか
DAWの中には、無料版が提供されているものもあります。
無料版があることで手軽に始められ、時機を見て有料版のDAWに移行する、ということができます。
以下に、各種DAWの無料版の有無を示します。
DAW名 | 無料版の有無 |
---|---|
Cubase | 有(Cubase AI) |
Studio One | 有(Studio One Prime) |
Ableton Live | 無(90日間の無償体験版有) |
FL Studio | 有(FL Cloud Freeプラン) |
Pro Tools | 有(Pro Tools Intro) |
Logic Pro | 無(1か月間の無料トライアル有) |
無料版から有料版に移行する際、同種のDAWであれば、基本的な使い方を覚えなおさずに済むというメリットがあります。
筆者は、Studio Oneの無料版である「Studio One Prime」から始め、有料版のStudio Oneにアップグレードしました。
もちろん、無料版で試したうえで、「やっぱり別のDAWが良い」と判断して乗り換えるのもありだと思います。
AIサポート機能があるか
最近では、AIによる作曲技術が発達し、AIサポート機能を搭載したDAWも登場しています。
例えば、Logic ProにはAIによる自動アレンジ機能があります。
以下に、各種DAWのAIサポート機能の有無を示します。
DAW名 | AIサポート機能の有無 |
---|---|
Cubase | 無 |
Studio One | 無 |
Ableton Live | 無 |
FL Studio | 有(AIマスタリング機能) |
Pro Tools | 無 |
Logic Pro | 有(最新バージョンで実装) |
AIサポート機能があることで、音楽制作の劇的な効率化やクオリティ向上が期待できます。
外部のAIツールを利用する方法もありますが、標準でAI機能が搭載されていることは魅力の一つだと思います。
まとめ
DAWを選ぶ際には、様々な観点から検討し、自身の制作スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
この記事を、DAW選びの参考にしていただければ幸いです。