
この記事では、作曲初心者の方向けに、音楽理論の必要性や、どのように勉強していけばよいかについて、筆者の考えをまとめています。
ぜひご参考にしてみてください。
はじめに
この記事では、作曲における音楽理論の必要性や、どのように学べばよいかについて、筆者のこれまでの経験をもとに考えを書いています。
作曲初心者の方で、「音楽理論って役に立つの?」と疑問に思ったことのある方や、これから学ぼうとしている方の参考になれば幸いです。
作曲に音楽理論は必要か
結論から言うと、音楽理論は絶対に必要というわけではないと思います。
そもそも音楽に正解というものはなく、感覚的に作ってはだめということはありません。
むしろ自分の感覚は第一に大切にするべきと思いますし、感覚的に作ったもののほうが面白くなることもあります。
しかし、音楽理論を学ぶことで、先人たちが長い歴史の中で発見してくれた美しい音楽のパターンを知ることができます。
そのため、音楽理論を知っていることで、きれいな曲の流れを計画的に考えられるようなったり、制作中の曲で違和感を感じる箇所を素早く改善できたりと、いろいろなメリットがあります。
つまり、「絶対に必要ではないけど、あると便利なもの」と考えるのが良いと思います。
筆者の経験でいうと、勉強してよかった理論もあれば、一生懸命勉強したけど全然使わない理論もあります。
後者については、「無駄に時間かけちゃったかな・・・。」と思うことも正直あります。
それでも、曲作りの中で理論が使える場面が増えてくると、勉強した甲斐が感じられて嬉しいですし、少なからず効率アップや曲の洗練に役立っていると感じます。
「理論にこだわらず、とにかく作るのが大事だよ」という人もいて、それもその通りだと思うのですが、一生懸命勉強することも無駄にはならないと思います。
筆者が学んで良かったと思う理論
筆者もまだまだ勉強中の身ですが、参考までに、筆者がこれまで勉強して良かったと思う理論を記します。
コード理論
音楽理論と聞いて、多くの人がまずコード理論を思い浮かべるかもしれません。
そして多くの人が重要視している理論だと思います。
コード進行は曲の骨組みとなるので、自然なコード進行や、ちょっと凝ったコード進行なんかもある程度理論的に考えられると便利です。
お絵描きでいうと、下描きを素早く行えるようになる、みたいな感覚でしょうか。
和声学
和声学も、コード理論と同じで和音を扱う理論です。
コード理論との違いは、和音を構成する各パートの横の動きについても細かいルールを論じている点です。
それらのルールは絶対に守らなくてはいけないものではないですが、基本的なルールを守るだけでも、美しい和音の流れを作ることに役立ちます。
「音の配置は適当に考えるのではなく、各パートが美しく歌うように和音を動かすのが理想」ということを教えてくれる学問だと思います。
管弦楽法(オーケストレーション)
筆者はオーケストラ曲を作れるようになりたかったので、管弦楽法を勉強していた時期があります。
管弦楽法では、オーケストラに登場する楽器の効果的な組み合わせ方などを学べます。
オーケストラ以外のジャンルについても、「管弦楽法」のように「ザ・理論」という感じの名前があるのか、詳しくは知りません。
ただ、どんなジャンルでもアレンジのセオリーやパターンが確立されていると思うので、それらも一種の理論と言えます。
スコアリーディング
理論とは少し違うと思いますが、スコアリーディング、つまりスコアを読みながら曲を分析することで、間接的にアレンジのセオリーを学べます。
筆者は、いくつかのクラシック曲のスコアリーディングに取り組んだことがあります。
作曲者によってアレンジの好みには差があると思いますが、各楽器の役割など、ある程度の傾向を知ることで、効果的なアレンジの理解に役立ちます。
筆者が利用してきたリソース
参考までに、筆者が音楽理論に関して利用してきた本やサイトを以下の記事で紹介しているので、興味があればご参照ください。




どのように学ぶか
ここでは、「音楽理論をどのように学んでいけばよいか」ということについて、筆者の考えをまとめます。
気になるものから学ぶ
基本的な音楽知識(「ドレミファソラシ+半音」やオクターブの存在を知っている、リズムの概念がわかる、など)があれば、気になる理論をその都度勉強すればよいと思います。
「作曲のための音楽理論」という観点でいえば、自分の曲作りの中で使えるようになって初めて意味のあるものになります。
あらゆる理論を体系的に勉強できればベストだとは思いますが、目的もなしに行うと無駄なコスト・労力がかかる恐れがあります。
自分の曲作りにどう生かしたいかを考えて、勉強するものをその都度選ぶことが大事だと思います。
音を確認しながら学ぶ
音楽理論を学ぶとき、書籍やネットで学ぶことが考えられますが、文字の説明だけでなく音も確認しながら勉強することが大切です。
やはり音楽なので、理屈を知るだけではなく音の響きとしても理解する必要があります。
書籍の場合、解説用にサンプルの音源をダウンロードできるようになっている場合も多いです。
ネットだと、その場で再生できる音源を貼り付けてくれている記事などはありがたいですね。
アウトプットしながら学ぶ
前述したように、作曲のための音楽理論は、曲作りで使えて初めて意味を持ちます。
そのため、いつまでも勉強だけをするのではなく、切りの良いところで曲作りの実践(アウトプット)に移すことが大切です。
勉強したすべてのことを生かせるということはなかなかないと思いますが、それまで勉強したことをなるべく思い出して、理論的に考えながら曲作りをする練習をするとよいと思います。
そして、アウトプットする中で見えてくる課題もたくさんあると思います。
上手くできなかったり、時間がかかってしまった部分があれば、それを解決してくれそうな理論を探して、また勉強してみればよいと思います。
ちなみに筆者は、勉強したことをなるべくその都度メモしており、特に重要と思う事項を中心に、曲作りの際に確認するようにしています。
特に、コード進行を考えるときのためにまとめたチェックリストがとても役立っています。
専門家に教わる
「音楽理論は独学でなく、専門家にしっかりと教わったほうが良いのでは」と考える人もいるかと思います。
筆者自身は現在独学ですが、作曲・DTMのスクールなどにも興味があり、調べていた時期があります。
以下の記事で、これまでに調べたなかで面白そうと思ったスクールを紹介しているので、こちらも興味があればご参照ください。


まとめ
音楽理論を学ぶことは必須ではありませんが、頑張って学べば、曲作りに役立つ場面がきっと増えていくと思います。
そして、学んだことを使えるようになるためには、勉強とアウトプットを交互に繰り返すことが大切だと思います。
筆者も頑張ります。
この記事が参考になれば幸いです。